「なぜ消臭だけで100万円もかかるのか?」プロが教える特殊清掃の費用構造と、自己負担を劇的に減らす火災保険の活用法

はじめに:その「ニオイ」、掃除では消えません

普段からBeクリーンには、日々深刻なニオイの相談が寄せられます。 その際、最初にお客様が驚かれるのが、ご提示する「見積もり金額」「工期」です。

例えば、一般的な1LDKの賃貸アパートで、染みついたタバコの臭いを完全に消臭する場合。 安くても7万円程度、状況によっては30万円を超えることも決して珍しくありません。

さらに、灯油漏洩の現場であれば、リフォーム工事を含まない「消臭作業のみ」で30万円~100万円からのスタート。火災現場の煤(すす)や焦げ臭の除去となれば、200万〜300万円から始まり、規模によっては数千万円にのぼることもあります。(状況によっては大きく金額は変動しますので、まずはご相談ください)

「たかがニオイを消すだけで、なぜそんなに高いのか?」 「スプレーを撒いて終わりではないのか?」

このように考えているお客さんはとても多いです。「ファブリーズみたいなものシュシュっとかけて終わりじゃないの?」と。しかし、僕たちBeクリーンが提供しているのは「お掃除」ではなく、汚染された建物を再生させる、ある意味「環境復旧工事」なんですね。

ということで今回は、なぜ本格的な消臭サービスが高額になるのか、その理論的な裏付けと、実は多くの方が知らない「保険を使って自己負担を最小限にする方法」について、業界の裏側を含めて詳しく解説します。


1. なぜ高額になるのか? ①「ニオイの物理的メカニズム」

まず、費用の根拠をご理解いただくために、ニオイが建物にどう染み付いているかを知る必要があると思います。

表面ではなく「建材の深部」まで汚染されている

市販の消臭スプレーは、空間に漂うニオイ分子を一時的に包み込むだけのものがほとんどです。一部「業界初ニオイの分子を分解」なんて製品もありますが、市販品と大差ないものが多いです。

しかし、僕たちBeクリーンに施工依頼がある「タバコ」「灯油」「火災臭」は、建材の内部(ボード、コンクリート、木材の繊維)の奥深くまで分子レベルで侵入しています。

これを表面だけ拭き取っても、気温や湿度が変わるたびに、奥に入り込んだニオイ物質が再び揮発し、無限に臭い続けます(これを「戻り臭」と呼びます)。なのでいくら空間に消臭スプレーを噴霧したところで臭いが消えるわけがありません。

僕たちBeクリーンが行うのは、この見えないにおいの原因物質を化学的に分解し、物理的に封じ込める作業です。

  • 薬剤の浸透: 特殊な薬剤を建材の深部まで浸透させる技術。
  • オゾン燻蒸: 気体であるオゾンを充満させ、壁の裏側や隙間まで行き渡らせて酸化分解する工程。

これらは雑巾がけのような単純作業ではなく、化学反応をコントロールする科学的なアプローチであるため、専門知識とコストが必要になります。


2. なぜ高額になるのか? ②「高価な機材と特殊薬剤」

Beクリーンをはじめ、しっかりとした施工を行う消臭業者、特殊清掃業者が使用するツールは、ホームセンターで手に入るものとは次元が異なります。

産業用オゾン脱臭機と精密検査機器

僕たちが普段現場に投入する「オゾン脱臭機」は、家庭用の空気清浄機とは全く別物です。人体に危険なレベルの高濃度オゾンを発生させ、壁紙の奥にあるニオイ分子を破壊する産業用機器です。これらは1台数十万円〜数百万。高額なものではさらに高値となり、広い現場ではこれを何台も同時に稼働させます。一つの現場にオゾン脱臭機を4台、5台場合によってはもっとたくさん設置することもあります。これだけでウン百万ウン千万の費用が掛かります。

また、「臭いが消えたかどうか」は施工者の鼻だけに頼りません。ニオイを見える化する「臭気測定器」や「成分検査器具」を使用し、数値として完了基準を満たすまで作業を繰り返します。これらの測定機器もまた、非常に高額な精密機器です。臭気測定器一台でも数十万しますし、Beクリーンでしようしている成分検査器具は一台80万くらい。これを最低4台4種類は使い分けます。これだけでも数百万です。

一般流通しない特殊薬剤

灯油の強烈なニオイや、火災現場のダイオキシン類を含んだ煤を除去するためには、強力な、あるいはバイオテクノロジーを駆使した特殊な薬剤を使用します。これらは一般には流通しておらず、単価も非常に高額です。 「水で薄めて拭く」のではなく、「化学反応で無害化する」ためのコストがここに含まれています。

「業者価格で安く買えるんでしょ?」と聞かれることもありますが、業務用の消臭剤などは思っているほど安くは仕入れられません。僕も正直「え?値引きこれだけ??」と悲しくなる仕入れ値です。


3. なぜ高額になるのか? ③「平均14日間という工期の長さ」

ここが最もお客様に驚かれるポイントですが、Beクリーンの場合本格的な消臭施工は、平均で14日間(約2週間)の工期をいただきます。

「そんなにかかるの?」と思われるかもしれませんが、これは「確実性」を担保するために削れない時間なのです。

「一日で終わるんでしょ?」と簡単に考える方が多いですが、一日で消えるニオイなら僕たちの出る幕はないと思います。逆に「あまりにも工期が短い業者さん」これは疑うほうがいいと思います。

「オゾンショックトリートメント法(OST法)」のサイクル

日本中で採用されている高度な脱臭技法では、以下のサイクルを何度も繰り返します。

  1. 薬剤散布・養生: 薬剤を浸透させ、反応時間を置く。
  2. オゾン燻蒸: 高濃度オゾンで空間を数日間満たす。
  3. 換気・排出: オゾンを安全に排出し、空気を入れ替える。
  4. 嗅覚判定・測定: 臭いが戻ってこないかを確認する(数日放置して様子を見る)。

特に重要なのが「4」の確認期間です。施工直後は薬剤やオゾンの効果で臭いが消えていても、3日後に建材の奥から臭いが戻ってくることがあります。 僕たちはプロとして「引き渡した後に臭いが再発すること」を最も恐れますし「あってはならない」と警戒します。そのため、 「施工 → 放置(戻り臭確認) → 再施工」 というサイクルを何度も回し、完全に臭いが止まったことを確認してからお引き渡しします。

Beクリーンではこれを「におい戻りテスト」と呼び、室温や湿度を真夏と同等まで人為的に再現して「においが戻らないこと」これを確認してからお引渡しをします。

この延べ2週間にわたる人件費、機材の占有費、現場管理費が積み重なることで、どうしても費用は高額にならざるを得ないのです。


4. 実際の費用事例:灯油漏洩と火災現場

より具体的なイメージを持っていただくために、実際の現場での費用感をお伝えします。

灯油漏洩:30万~100万円からスタートして上限は現場状況による

北海道の冬に多いホームタンクからの灯油漏洩。コンクリートの基礎に灯油が染み込むと、その家には住めないほどの悪臭が充満します。 基礎を解体せずにニオイを抜く場合、特殊なバクテリア製剤や界面活性剤を使用したり、コンクリート内部の灯油を「吸い出す」作業が必要です。これには非常に手間と時間がかかり、消臭作業だけで100万円を超えるケースが多々あります。

火災現場(ボヤ含む):40万~200万〜300万円、時には1000万円超

火災現場の消臭は、特殊清掃の中でも最高難易度です。 燃焼によって発生した煤(スス)には有害物質が含まれ、それが家中のあらゆる隙間に入り込みます。 単にニオイを消すだけでなく、有害物質の除去(除染)という意味合いが強くなります。ダイオキシンレベルの防護服での作業、廃棄物の特殊処理、そして建物の構造体に入り込んだ焦げ臭の除去。 これらを徹底すると、数百万〜一千万円単位の費用になることも珍しくありません。


5. 【重要】高額費用は「火災保険」でカバーできる可能性が高い

ここまで読んで「そんな金額、とても払えない」と絶望された方もいるかもしれません。しかし、諦めないでください。

実は、これらの高額な消臭費用の多くは、お客様が加入している「火災保険」でカバーできるケースが非常に多いのです。

費用が高額で相見積もりを取られるお客様はとても多いですが、「自動車が欲しい」と車屋さんへ行くとします。車なら何でもいいなら100万円くらいのオプションも何もない最低限の軽自動車でもいいでしょうけど、それなりに快適にと思うならやはり300万円とか400万円の車になってくると思います。

お客様ご自身が置かれた状況を考え、最終的なゴールはどこなのか?依頼した業者が考えているゴールと自分のゴールは一致しているのか?このあたりはよくすり合わせをする必要があると思います。

安けりゃOKとならないのが消臭だと思っています。そもそも高品質の施工を提供するための資機材を所有していない会社も多いですから、そもそもの施工の内容が天と地のさほど出る場合も多いです。

「消臭」=「損害の復旧」

火災保険は「火事」だけでなく、契約内容によっては「水濡れ(灯油漏れ含む)」「汚損・破損」「不測かつ突発的な事故」など幅広い損害を補償します。

保険会社にとっても、 「ニオイが原因でその家に住めなくなる」=「建物としての機能喪失」 とみなされる場合、その機能を回復させるための正当な復旧費用として、消臭費用が保険金の支払い対象になることが多々あります。

特に、僕たちBeクリーンのような専門業者が作成する「なぜこの金額がかかるのか」を証明する詳細な見積書と報告書、状況説明書などがあれば、保険会社への説得力が増し、満額に近い認定が下りるケースも少なくありません。

(※ご加入の保険契約内容や事故の状況によりますので、まずは証券をご確認ください)


最後に:安易な施工で「安物買いの銭失い」にならないために

「他社では10万円でやると言われた」 そう言って安価な業者に依頼し、結局ニオイが取れず、僕たちBeクリーンへ再依頼に来られるお客様が後を絶ちません。そうなると、最初の10万円は完全に無駄金になってしまいます。

僕たちBeクリーンは、旭川をはじめ北海道全域はもちろん日本全国各地で、同業他社さん(例えば札幌のリライブルさんなど)とも連携し、技術研鑽を続けているプロフェッショナル集団です。 提示する金額には、それだけの「技術」「時間」「機材」、そして「完全消臭への責任」が含まれています。

高額な費用には必ず理由があります。そして、その負担を減らすための保険という手段もあります。

「ニオイで困っているけれど、費用が不安」 「保険が使えるかどうかわからない」

そんな時は、まずは一度ご相談ください。状況に合わせた最適なプランと、保険申請のアドバイスを含めて、生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

なんどもブログやコラムでも書いていますが、においのトラブルの場合はどれだけ早い段階から消臭業者も交えて話し合いを開始できたか?これで費用はものすごく節約できます。

建築のプロや建築士、不動産のプロ、みなさんそれぞれ自分の分野ではプロフェッショナルですがにおいのプロではありませんから。においのことは臭いのプロに任せるのが間違いありません。

お問い合わせは

    この記事が気に入ったら
    いいね または フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次