消臭業の始め方|18年のプロが教える脱臭ビジネス参入ガイド【未経験・異業種OK】

最初に、ちょっと変なことを言います。

この記事は、これから消臭・脱臭の仕事を始めたい企業さんや個人の方を増やすために書いています。つまり僕にとっては「ライバルを増やす記事」です。

なんでわざわざそんなことを? とよく聞かれます。

理由はシンプルで、「臭いに困ったら消臭業者に相談する」っていう当たり前が、日本にはまだ全然根付いていないからです。

水漏れなら水道屋さん、鍵をなくしたら鍵屋さん。みんなすぐ思いつきますよね。でも「家が臭い」「火事の後のニオイが取れない」「ペットの尿臭がどうにもならない」――こういうとき、多くの人はそもそも”消臭の専門業者”がいることを知りません。だから泣き寝入りするか、リフォームで全部壊すか、引っ越すか、みたいな話になってしまう。

僕一人がいくら頑張っても、この「社会の認知」は変わりません。全国にちゃんとした消臭業者が増えて、それぞれの地域で「ニオイなら、あそこに頼めばいい」が当たり前になって、はじめて市場全体が育ちます。パイが大きくなれば、巡り巡って僕の仕事も増える。僕は本気でそう思っています。

だからこの記事では、消臭業界に入るかどうか迷っている人に向けて、いいところも、正直しんどいところも、できるだけフラットに書きます。

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「消臭」と聞くと、スプレーをシュッとやって終わり、みたいなイメージを持つ方が多いです。でも僕らがやっているのは全然別物で、原因物質を特定して、科学的に除去・分解する仕事です。

ニーズはとにかく幅広い。ざっと挙げるだけでも、

  • 火災・火事の後のニオイ(焦げ臭・煤の臭い)
  • 灯油・重油の漏洩(北海道だと特に多い)
  • タバコのヤニ臭(賃貸の原状回復、中古物件の販売前など)
  • ペット臭(特に猫の尿臭は強敵です)
  • 介護施設・病院の尿臭・排泄臭
  • 孤独死・事故現場などの特殊清掃に伴う消臭
  • カビ臭(カビ取りと消臭はセットになることが多い)
  • 下水・排水まわりのニオイ
  • 香水・人工香料・香辛料などの残り香

これ、全部に「困っている人」がいます。そして多くの場合、頼める相手が見つからずに困っている

しかも消臭の現場って、一件で数十万円の売上になることもざらです。原状回復が絡む不動産案件、保険が絡む火災・漏洩案件、訴訟がらみの案件……単価が高くなりやすいのが、この仕事の特徴です。

ここで、ちょっと面白い話をします。

僕は今回この記事を書くにあたって「消臭・脱臭サービス業の市場規模って何億円なんだろう?」と調べてみました。ところが――そんな統計、どこにも存在しないんです。

最初は「データが見つからないな」と思ったんですが、よく考えるとこれ、すごく象徴的だなと。消臭業が、独立した一つの業界として世の中にまだ認識されていないということなんですよ。冒頭で書いた「臭いに困っても消臭業者を思いつかない」が、市場統計のレベルでも起きている。逆に言えば、これから市場として立ち上がっていく、ど真ん中の伸びしろだということです。

一方で、「消臭」という製品の市場ならちゃんと数字があります。スプレーや置き型などの消臭剤・芳香剤の製品市場は、およそ850億〜1,000億円規模(芳香消臭脱臭剤協議会・富士経済の推計)。ただしこれは小林製薬やエステーが戦うメーカーの世界の話で、僕らがやる「現場で原因を消すサービス」とはまったくの別物です。ここはよく混同されるので、あえて切り分けて書いておきます。

では僕らのサービス業に近い市場はどこにあるかというと、隣接する業種の中に、消臭ニーズが”埋もれた”形で確実に存在しています。

  • ハウスクリーニング市場:2025年に約8,000億円規模の予測(日本経済新聞・矢野経済研究所などのデータを総合)。新規参入のしやすさから、フランチャイズや個人の独立開業が市場成長を牽引しています。
  • 遺品整理業:加盟業者の年間売上が合計5,000億円超(遺品整理士認定協会・2018年、約8,000業者ベース)。孤独死などの現場では特殊清掃と消臭が不可欠で、この市場の中に強い消臭需要が含まれています。
  • 家事代行(ハウジングサービス)市場:807億円(2021年度、日本経済新聞。2016年度の2倍超に拡大)。

つまり――消臭という看板はまだ独立していないのに、その需要は、すでに何千億円という隣接市場のあちこちに溶け込んでいる。 僕はこれを「掘り起こされるのを待っている市場」だと思っています。先に旗を立てた人が、その地域の「ニオイならあの人」になれる。今はまだ、そのポジションがガラ空きなんです。

僕が18年やってきて感じている魅力を、正直に書きます。

① 参入の入口が広い

特別な国家資格がないと開業できない、という業界ではありません。もちろん知識と技術は必須ですが、ハウスクリーニングや便利屋、リフォーム、解体、不動産管理、ビルメンテナンスなど、隣接業種からの参入がしやすいのが特徴です。今やっている仕事に「消臭」という柱を一本足す、というイメージで始める人も多いです。

② 在庫を抱えにくい

大きな倉庫も、大量の仕入れもいりません。薬剤と機材があれば現場に出られます。装備への初期投資はそれなりに必要ですが(後述します)、製造業や物販のように在庫リスクを抱える商売ではありません。

③ 単価が高く、リピートと紹介が効く

前述のとおり、一件あたりの単価が高い。そして消臭は「困りごとを解決する仕事」なので、きちんとニオイを消せばものすごく感謝されます。不動産会社、保険代理店、リフォーム会社、介護施設……法人と一度つながると継続案件や紹介につながりやすい。

④ 社会的意義がある

これは綺麗事じゃなくて。火事や事故、孤独死のあと、ニオイが残ったままだと、その人や家族は前に進めません。そのニオイを消すことで、生活を、人生を、リセットする手伝いができる。けっこう誇れる仕事です。 <br>

ここを隠す人が多いんですが、僕は隠しません。これを知らずに入ると続かないし、いい加減な業者が増えると業界全体の信用が落ちる。だから正直に書きます。

① 感覚だけでは絶対に通用しない

「ニオイを消す」って、なんとなく経験と勘でやれそうに見えます。でも実際は、化学・微生物・物理の知識が要る世界です。なぜそのニオイが発生しているのか、原因物質は何か、どの薬剤がどう作用するのか。ここを理解せずに薬剤を撒いても、一時的にマスキング(別の匂いで隠す)されるだけで、数日後にぶり返してクレームになります。

僕が掲げている言葉に「感覚から科学へ」というのがあります。最初は感覚で入ってもいい。でも続けるなら、必ず科学に橋渡ししないといけません。

② 装備への投資は、ある程度必要

最低限の薬剤と道具がないと、そもそも効果が出せません。エクストラクター、オゾン発生器、各種薬剤、測定機器……いきなり全部揃える必要はありませんが、「無装備でなんとかなる」仕事ではないことは正直にお伝えします。

③ 環境がきれいではない現場もある

火災現場、特殊清掃の現場、漏洩事故の現場。ニオイがきつく、体力を使い、精神的にもこたえる現場があります。ここを甘く見ないでほしい。

④ クレーム対応の難しさ

「臭い/臭くない」は、最終的に人の感覚です。だからこそ、**数値で示せる根拠(臭気の測定など)**を持っておかないと、「まだ臭う」と言われたときに反論も説明もできません。ここが感覚の世界の難しさであり、科学を入れる理由でもあります。

これまで僕の講習を受けてくれた方を見ていると、

  • ハウスクリーニング・特殊清掃をすでにやっていて、消臭の柱を足したい
  • 便利屋・なんでも屋で、単価の高い専門サービスを持ちたい
  • リフォーム・解体・原状回復に関わっていて、「壊さずにニオイを消す」選択肢が欲しい人
  • 不動産管理・賃貸オーナーで、自社物件のニオイ対策を内製化したい
  • まったくの異業種だけど、手に職をつけて独立したい

共通しているのは、**「困っている人をちゃんと助けたい」「いい加減な仕事はしたくない」**という気持ちを持っている人。技術はあとから付きます。この姿勢がある人は、だいたい伸びます。

独学でも始められなくはありません。でも正直、遠回りになります。僕自身、消臭のために投資してきたお金は数百万円ではきかないし、何より「失敗して原因が分からない」時間を山ほど過ごしてきました。あのときに体系立てて教えてくれる人がいたら、どれだけ早かっただろうと思います。

そこで僕は、自分が18年かけて積み上げたノウハウを有料講習という形で全部お渡ししています。火災・タバコ・カビ・ペット・灯油など、コース別に「現場実習」か「座学」を選べます。コースの詳しい内容と料金は、こちらの記事にまとめてあります。

各種有料講習について

「いきなり講習はちょっと……」という方には、Zoomでの時間制コンサルもあります。「何から始めればいい?」「この現場どう見積もる?」「自分のやり方、これで合ってる?」みたいな、さわりの相談から使ってもらえます。

そして、ここが他とちょっと違うところなんですが――

僕の講習には、受講後の「年会費」も「機材の購入縛り」も「毎月いくら以上資材を買え」みたいな縛りも、一切ありません。

学んだら、あとはあなたの商売です。囲い込むつもりはまったくない。だって僕の目的は、フランチャイズで縛ることじゃなくて、ちゃんとした消臭業者を全国に増やすことですから。

冒頭の話に戻ります。

僕は、消臭業界のライバルが増えることをまったく恐れていません。むしろ歓迎です。

全国に、誠実で技術のある消臭業者が一人でも多く増えて、「ニオイに困ったら、まず消臭業者に相談する」っていう当たり前が日本に根付く。それぞれの地域で、困っている人がちゃんと助けてもらえる。そういう未来を、僕は本気で作りたいと思っています。

その未来は、僕一人じゃ作れません。

もしあなたがこの仕事に少しでも興味を持ってくれたなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。分からないことがあれば、いつでも相談に乗ります。一緒に、この業界を育てていきましょう。

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