床にタイヤの跡が、、、どうしてつくの?消し方は?

目次

まずは「どうして跡が着いちゃうの?」を考察します。僕もはっきりしたメカニズムは分からないのであくまでも考察という事でご容赦ください。

タイヤ跡に限らず、お掃除全てに言えることですが、消すためには着く理由を知らなければ消せません。どうして汚れるの?なるほど!それじゃーこれで消えるかも?

いつの時代も想像力が大切だと思っています。

1. 摩擦と摩耗によるもの

  • タイヤのゴムは、フローリングの表面と接触し、動く際に摩擦が生じます。
  • この摩擦によって、タイヤのゴムの一部や、タイヤに付着していた小さな砂やホコリなどの異物がフローリングの表面を微細に削ったり、傷つけたりします。
  • 特に、タイヤに砂やホコリが付着している場合や、急な方向転換などで強い摩擦が加わった場合に、跡が残りやすくなります。
  • また、フローリングの表面のコーティングが弱い場合も、傷つきやすく跡が残りやすい傾向があります。

これに関しては「タイヤ跡」というよりは「スリップ痕」が着く理由なのかな?とは思います。掃除屋さんに依頼が多い工場内のフォークリフトのタイヤ跡。新築住宅のガレージコンクリートのタイヤ跡などがこれにあたるのかな?と思います。

2. 物質の転写によるもの

  • タイヤのゴムには、可塑剤や油分などの成分が含まれています。
  • タイヤがフローリングの上を通過する際に、これらの成分が摩擦や圧力によってフローリングの表面に転写されることがあります。
  • 特に、新しいタイヤや、柔らかいゴム素材のタイヤの場合、成分が染み出しやすく跡が残りやすいことがあります。
  • また、フローリングの表面の材質によっては、ゴムの成分が吸着されやすく、跡が消えにくい場合もあります。

この項目が皆さんが悩まれる「床にタイヤ跡が着いちゃった」って現象の理由であると思います。

その他

  • 重いものを載せた台車のタイヤなど、強い圧力が長時間加わることで、フローリングがわずかにへこんで跡が残る場合もあります。

これらのメカニズムが複合的に作用して、タイヤの跡がフローリングに付いてしまうと考えられます。

物質の転写によるタイヤの跡は、タイヤのゴムに含まれる様々な成分が、フローリングの表面に付着することで発生します。具体的には、以下の要素が深く関わっています。

1. タイヤゴムに含まれる成分:

  • 可塑剤(かそざい): ゴムに柔軟性や加工性を持たせるために添加される油状の物質です。タイヤがフローリングと接触し、摩擦や圧力が加わることで、この可塑剤がゴムの表面に染み出しやすくなります。そして、その状態でフローリングに触れると、可塑剤がフローリングの表面に移行し、油っぽい跡や変色の原因となります。
  • 軟化剤(なんかざい): ゴムの粘度を下げ、加工しやすくするために使われる油状の物質です。可塑剤と同様に、摩擦や圧力によって表面に染み出し、フローリングに付着することがあります。
  • カーボンブラック: タイヤの強度を高めたり、色を黒くするために配合される炭素の粉末です。通常はゴムの中にしっかりと練り込まれていますが、摩擦によって微細な粒子が剥がれ落ち、フローリングに黒い線状の跡として残ることがあります。
  • その他の添加剤: ゴムの耐久性や耐候性を向上させるための様々な化学物質も含まれています。これらの物質が、フローリングの表面と反応したり、付着したりすることで、跡の原因となる可能性も考えられます。

2. 転写が起こるメカニズム:

  • 接触と圧力: タイヤがフローリングに接触し、その上に物や人の重さが加わることで、タイヤとフローリングの間に圧力が生じます。この圧力によって、タイヤゴムに含まれる上記の成分が表面に押し出されやすくなります。
  • 摩擦: タイヤが回転したり、方向を変えたりする際に、フローリングとの間に摩擦が生じます。この摩擦によって、タイヤ表面の成分がフローリングに擦り付けられるように転写されます。
  • 温度: 温度が高い環境下では、ゴムに含まれる成分の流動性が高まり、より転写しやすくなる傾向があります。
  • フローリングの表面状態: フローリングの表面が粗かったり、微細な傷があったりすると、タイヤからの成分が付着しやすくなります。また、ワックスなどの表面処理の種類によっては、ゴムの成分と反応して跡が残りやすくなる場合もあります。

3. 跡の特徴:

  • 物質の転写による跡は、油っぽい、または黒っぽい線状の汚れとして現れることが多いです。
  • 摩擦が強かったり、圧力がかかった部分ほど濃く、はっきりとした跡になりやすいです。
  • 時間が経過すると、フローリングの表面に成分が浸透してしまい、落としにくくなることがあります。

このように、タイヤのゴムに含まれる様々な油性の成分が、圧力や摩擦といった物理的な力によってフローリングの表面に移行し、目に見える跡として残るのが、物質の転写によるタイヤの跡のメカニズムです。

結論から申し上げますと「やってみなきゃ分からない」としか言えません。

Beクリーンでは今まで数々のタイヤ跡を消してきました。フロア補修屋さんでも匙を投げた現場でも何度もタイヤ跡を消してきた実績もあります。実績の一部はコチラに写真載せてあります。

それでも「やってみなきゃ分からない」としか言えません。

僕の体感ですけど8~9割消せますが、僕でも何をやっても消せない。というケースもあります。

また床材の種類にもよって変わります。クッションフロアと言われるフカフカしたビニール素材の床材の場合は、ほぼ消すことが出来ません。

フローリング、フロアタイルなど硬質の床材(ワックス塗布済み、ノンワックス、ワックス未塗布、状態はなんでもOK)だと8~9割消すことが可能です。

掃除屋さんや洗剤メーカーさんによっては「タイヤ跡は染色なので消えない」とか「成分の変質なので消せない」という回答も多いですが、上述した「跡が着くメカニズム」を考えると染み抜きでも消せるケースが多いとは思います。

まずは一般的なインターネットなどで検索すると出てくるような方法をまとめてみます。

軽い跡の場合:

  • 乾いた布で拭く: まずは乾いた柔らかい布で優しく拭いてみてください。軽い汚れであれば、これだけで落ちる場合があります。
  • 消しゴムで擦る: プラスチック消しゴム(白いもの)で優しく擦ってみてください。特にゴムの成分が転写したような跡に有効な場合があります。強く擦りすぎるとフローリングを傷つける可能性があるので注意が必要です。
  • メラミンスポンジ(激落ちくんなど): 水を含ませて軽く擦ってみてください。研磨力が高いので、強く擦りすぎるとフローリングの表面を傷つける可能性があります。目立たない場所で試してから使用してください。

落ちにくい跡の場合:

  • 中性洗剤を薄めた水で拭く: 中性洗剤を少量ぬるま湯に溶かし、固く絞った布で拭いてください。その後、水拭きをして洗剤成分をしっかり拭き取り、最後に乾いた布で水分を拭き取ります。
  • フローリング用クリーナー: 市販のフローリング用クリーナーの中には、タイヤの跡や靴の跡に特化したものがあります。製品の取扱説明書をよく読んでから使用してください。
  • 重曹ペースト: 重曹に少量の水を加えてペースト状にし、跡に塗布してしばらく置いてから、柔らかい布で拭き取ります。研磨作用があるので、強く擦りすぎないように注意してください。
  • アルコール(消毒用エタノールなど): 少量のエタノールを柔らかい布に含ませて、軽く拭いてみてください。ただし、フローリングの材質によっては変色やワックス剥がれの原因になることがありますので、必ず目立たない場所で試してから使用してください。使用後は必ず乾拭きをしてください。

頑固な跡の場合:

  • 専用の除去剤: ホームセンターなどには、ゴムや接着剤の跡を落とす専用の除去剤が販売されている場合があります。使用する際は、フローリングの材質に適合するかどうかを必ず確認し、取扱説明書に従って慎重に行ってください。

注意点:

  • 強く擦りすぎない: どの方法を試す場合でも、強く擦りすぎるとフローリングの表面を傷つける可能性がありますので、優しく丁寧に作業してください。
  • 水分を放置しない: 水拭きをした場合は、必ず最後に乾いた布でしっかりと水分を拭き取ってください。水分が残ると、シミや変色の原因になることがあります。
  • 換気を行う 洗剤やアルコールを使用する場合は、換気をしながら行ってください。
  • ワックスが剥がれる可能性: 一部の洗剤やアルコールは、フローリングのワックスを剥がしてしまう可能性があります。目立たない場所で試してから使用してください。

消し方の具体的な部分はBeクリーンの企業秘密になりますので、考え方のさわりの部分とか漠然とした書き方しか出来ませんが少しだけ書いてみます。

考え方としては

可塑剤、軟化剤にまずアプローチする。油性の汚れというざっくりした分類になると思いますので、まずはこの部分を処理しなければ染み抜き剤が効きません。

アルカリ性の洗剤: 油脂汚れに強い性質があります。ただし、フローリングの種類によっては使用できない場合や、変色の原因になることがあるため、注意が必要です。必ず目立たない場所で試してから使用してください。

オレンジクリーナー、柑橘系の成分を含むクリーナー: 天然の油分分解成分が含まれており、油性の汚れに効果が期待できます。

僕は実際には上記二つの種類の洗剤や薬剤を前処理として使用します。

次にカーボンブラックの処理を考えます

界面活性剤を含む洗剤: 汚れを浮かせて除去する効果が期待できます。可塑剤の項でも洗剤は出てきましたが、それとは別のイメージで使用します。最初の洗剤は油分を溶かす。次の洗剤は汚れを浮かす。こんなイメージで使い分けると良いと思います。先日投稿した記事「コチラ」を読むと使い分けのイメージは容易に出来ると思います。

研磨剤を含むクリーナー(微粒子研磨剤): 微細な研磨剤で物理的に汚れを落とすことを目的としたクリーナーです。微粒子研磨剤という所がミソなのかな?と思います。注意が必要なのは「研磨で消すわけでは無い」という点です。研磨で消してしまおうとすると深く浸透した成分が消えないとか、そもそもツヤ感がおかしくなってタイヤ痕よりもツヤが消えたことによる美観の劣化が目立ちます。

自動車のタイヤにカビキラーやキッチンハイターを吹き掛けても真っ白になることは無いと思います。しかしタイヤに吹き掛けると茶色い汚れがドロッと出てくる洗剤があったりします。この辺りもヒントになるのかと思います。

最後のポイントは「染み抜きだけにこだわらない」という点ではないでしょうか?

別に研磨で消せるなら研磨で消してもOKだと思います。その後のツヤ合わせも出来る技術があるなら研磨と染み抜きのハイブリッド工法でもいいですし。

実際に僕も染み抜きと研磨のハイブリッドで染みを消し、あとからツヤを合わせることも多いです。妙なこだわりが邪魔をして作業品質を下げることは自分にもお客さんにもメリットがありません。

僕はだいたいタイヤ跡一か所なら作業時間は10~15分で消すことが可能です。ツヤを合わせる作業やその他を合わせるともう少し時間がかかったりしますが。それでも1時間もかからない事が殆どです。

すごそうに書きましたが、時々ドはまりして3時間とか「う~ん、消えない、、、」「ツヤが合わね~」って悩むこともあるんですが(汗)

とりあえずタイヤ跡が付着するメカニズムを考えて頂いて、それを消すには?と想像力を働かせていただければ解決策はすぐに目の前に広がると思います。

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