お掃除屋さんでも間違えやすい「カルキ」と「水垢」

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よく日常でも「カルキ汚れ」という言葉を聞くことがあると思います。

掃除屋さんでも「カルキ汚れ」というひともいますし、自動車の洗車屋さんでも「カルキ汚れ」とか言う人がいます。

カルキ汚れと聞くと、水廻りに出てくる白くてカサカサした汚れでしょ?みたいなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?

カルキ (カルキ臭、塩素)

  • 正体: 水道水やプールの消毒に使われる塩素系消毒剤のことです。具体的には、次亜塩素酸ナトリウムなどが一般的です。 独特の刺激臭(プールのような臭い)があり、これが「カルキ臭」と呼ばれます。
  • 目的: 水道水やプールなどの水を衛生的に保ち、細菌やウイルスを殺菌するために添加されます。
  • 性質: 揮発性があり、時間が経つにつれて空気中に蒸発していきます。また、日光や熱、有機物に触れると分解されやすい性質があります。
  • 発生場所: 水道水、プールの水、浄水器を通した水などに含まれます。お風呂の残り湯や加湿器の水など、水道水を使った場所でカルキ臭を感じることがあります。
  • 掃除の対象としてのカルキ: 掃除の文脈で「カルキ」という言葉が使われる場合、実際にはカルキ臭の原因となる塩素系化合物そのものを取り除くというよりも、塩素系化合物が原因で発生する別の問題を指していることがあります。例えば、塩素によって水道管や水回りに付着する物質、あるいは塩素によって変色や劣化が起こる現象などを指して「カルキ」と表現することがあります。しかし、厳密にはこれらはカルキそのものではなく、塩素の影響による別のものです。

水垢 (みずあか)

  • 正体: 水道水や井戸水などに含まれるミネラル成分(主にカルシウム、マグネシウム、鉄など)が、水分蒸発後に白い結晶状の物質として残ったものです。
  • 原因: 水道水に含まれるミネラル成分は、水分が蒸発する際に濃縮され、水回りの表面に付着・蓄積していきます。特に、加熱されたり、乾燥しやすい場所で発生しやすくなります。
  • 性質: アルカリ性の性質を持ち、時間が経つにつれて頑固な汚れになります。 触るとザラザラしており、落としにくい場合があります。
  • 発生場所: 浴室の鏡、蛇口、浴槽、シャワーヘッド、キッチンのシンク、電気ポット、加湿器など、水が蒸発しやすい場所によく見られます。

これでちょっと分かるように、皆さんがカルキ汚れと聞いてイメージする白いガサガサ汚れは「水垢」なんですね。

これも掃除屋さんが間違えやすい汚れです。水垢と石鹸カス。違いは?

ベテランのお掃除屋さんになると「この汚れは○○なので◇◇の薬品を使って、アジテーションしてオープンタイムは△分で」みたいな思考で工法を組み立てると思います。

なので違いを知っておくことは大切だと思います。

1. 石鹸カスの正体とは?

石鹸カスは、単なる石鹸の残りではありません。主に以下の2つの成分が組み合わさってできたものです。

  • 石鹸成分: 固形石鹸、液体石鹸、ボディソープ、シャンプーなどに含まれる脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムといった成分です。
  • 水道水中のミネラル成分: 水道水にはカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのミネラル成分が含まれています。

これらの成分が化学反応を起こすと、水に溶けにくい金属石鹸と呼ばれる物質が生成されます。これが石鹸カスの主な成分です。 金属石鹸は、白っぽく、ザラザラとした質感を持つことが多いです。

2. なぜ石鹸カスは発生するの?

石鹸カスが発生する主な原因は、以下の3つです。

  • 石鹸成分とミネラル成分の反応: 上述の通り、石鹸成分と水道水中のミネラル成分が反応することで金属石鹸が生成されます。特に、硬水地域(ミネラル成分が多い水)では石鹸カスが発生しやすくなります。
  • 水分蒸発: 石鹸成分とミネラル成分が反応した水が蒸発する際に、金属石鹸が水回りの表面に残り、蓄積していきます。
  • 温度と湿度: 浴室などの高温多湿な環境は、石鹸カスの生成を促進します。温度が高いほど化学反応が起こりやすく、湿度が高いと水分が蒸発しにくいため、石鹸カスが残りやすくなります。

3. 石鹸カスが発生しやすい場所

石鹸カスは、水やお湯、そして石鹸やシャンプーなどが頻繁に触れる場所に発生しやすいです。具体的には以下のような場所が挙げられます。

  • 浴室:
    • 浴槽のふちや内側: お湯と石鹸が直接触れる場所なので、特に発生しやすいです。
    • 洗い場の床や壁: シャンプーやボディソープを使用した際に飛び散った泡が残りやすい場所です
    • シャワーヘッドや蛇口の根元: 水滴が残りやすく、石鹸成分も付着しやすい場所です。
    • 浴室小物 (椅子、桶など): 石鹸成分や水分が付着したままになりやすいです。
    • 鏡: 飛び散った石鹸水が乾燥して付着することがあります。鏡には水垢も付着しやすいです。

洗面所:

  • 洗面ボウル: 手洗いや洗顔の際に石鹸が使われるため、発生しやすいです。
  • 蛇口周り: 水滴や石鹸水が飛び散りやすい場所です。

キッチンのシンク: 食器用洗剤が石鹸成分を含む場合、シンクに石鹸カスが付着することがあります。

もちろん上記の場所には石鹸カス以外の汚れも付着しやすいですが、なんとなく分かりやすいイメージという事でご容赦ください。

他にもカビ汚れが発生したり、サビ跡(もらいサビ)などが発生したり、ヘアカラーの色が付着する、熱などによる加水分解でそもそもの素材が変質するなど色々な汚れや変化が起こり得ます。

汚れの落とし方に関しては今ではインターネットで調べれば星の数ほど情報が出てきますので、特筆することはありません。

吹き掛けるだけで簡単に汚れが落ちる洗剤もありますし、水だけで汚れが落ちるみたいなスポンジも沢山ありますし。

テレビに出演してあれこれ教えてくれている掃除屋さんも沢山います。みなさんが良いと思う方法で落としてください。

一つ注意が必要なのが、順番を間違えると汚れが落としにくくなる。落ちなくなる。傷だらけになるなどの注意点はあります。

一般の方なら自己責任でOKですが、プロですと賠償問題にもなりかねませんし気を付けて施工してみてください。

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