住宅で灯油が漏れると
北海道では灯油漏洩による消臭脱臭作業のご依頼が多いです。
灯油がこぼれると当たり前ですが灯油臭くなります。
灯油のニオイは様々な健康被害の原因になり、早急な対応が必要になります。
自分で出来る対策
DIY的に自分で対処する方法もいくつかあります。
少量でしたら、灯油がこぼれた部分にアルコールを噴霧し、タオルで叩くように吸着させてください。アルコールに灯油成分が溶けだし少しずつ灯油成分がタオルに転写されます。
こぼれてすぐでしたら、新聞紙や使い古したガサガサになったタオルなど吸水性の良いもので灯油を出来る限り吸い取ります。
気が付いたころには相当染み込んでいた場合。洗濯が可能なものでしたら、何度か繰り返しお洗濯をしてみてください。洗えないものに関してはアルコールを噴霧しながらタオルで叩くなど繰り返します。
これでもダメな時はプロへ依頼するのが間違いないと思います。
灯油が建材へ浸透した場合、建材の種類によりますが数か月から数年は揮発せずに残り続けることが多いです。
灯油がこぼれた場所ごとの解説
多孔質建材(木材、コンクリート、モルタル、石膏ボードなど):
- 灯油が深く浸透しやすい。
- 一度浸透すると、内部に閉じ込められ、揮発しにくい傾向がある。
- 特に木材は、繊維方向に沿って深く浸透し、揮発に時間がかかる。
非多孔質建材(金属、ガラス、タイル、プラスチックなど):
- 表面に付着する程度で、内部まで深く浸透しにくい。
- 比較的揮発しやすい。
- ただし、表面の凹凸や隙間に灯油が入り込んだ場合は、揮発に時間がかかることもある。
灯油の浸透量と深さ
- 浸透量が多いほど: 揮発に時間がかかる。大量の灯油が染み込んだ場合は、表面だけでなく内部にも灯油が蓄積されるため、揮発面積が減少し、時間がかかる。
- 浸透深度が深いほど: 揮発に時間がかかる。建材表面だけでなく、内部深くまで浸透した灯油は、表面からの揮発が遅く、時間がかかる。
環境条件
- 温度が高いほど: 揮発が促進される。温度が高いほど、灯油分子の運動エネルギーが大きくなり、揮発しやすくなる。
- 夏季や暖かい部屋では揮発が早まる。
- 冬季や寒い部屋では揮発が遅くなる。
- 換気するほど: 揮発が促進される。換気することによって、揮発した灯油成分が速やかに拡散し、建材表面の灯油蒸気圧が下がるため、揮発が促進される。
- 換気の良い場所や排気ファンを使用すると揮発が早まる。
- 密閉された空間では揮発が遅くなる。
- 湿度が低いほど: 揮発が促進される。湿度が低いほど、空気が乾燥しており、灯油が揮発しやすくなる。
- 乾燥した時間が長い、または除湿機を使用すると揮発が早まる。
- 湿度が高い時間が長いと揮発が遅くなる。
- 日当たりが良いほど: 揮発が促進される。日光による加熱効果と、紫外線による光化学反応によって、揮発が促進される可能性がある。(※ ただし、建材によっては紫外線劣化のリスクもあるため注意が必要。)
(4) 灯油の種類
灯油の種類によっても、揮発性に若干の差があります。
- 一般的な灯油(白灯油): 比較的揮発しやすい。古くなった灯油(購入してしばらく物置などに放置した灯油は揮発しにくい)
- 不純物が多い灯油(変質灯油、混合燃料 ): 揮発しにくい成分が含まれている場合があり、揮発に時間がかかる可能性がある。
染み込んだ灯油の処理方法
灯油は建材に深く浸透しやすく、独特の臭いやベタつきが残るため、除去は簡単ではありません。しかし、適切な方法を選択すれば、灯油を分解し、建材を元の状態に近づけることは可能です。
なぜ灯油は建材に染み込むのか?
灯油は、分子構造的に非極性の有機溶剤であり、多くの建材、特に多孔質な建材(木材、コンクリート、モルタルなど)によく染み込みます。その理由を詳しく見ていきましょう。
- 灯油の低い表面張力: 灯油は表面張力が低いため、建材の微細な隙間にも浸透しやすい性質を持ちます。
- 建材の多孔質構造: 木材やコンクリートなどの建材は、内部に微細な空隙(孔)を多数持っています。灯油はこれらの空隙に毛細管現象によって吸い込まれるように浸透していきます。
- 灯油と建材の親和性: 灯油の成分である炭化水素は、多くの建材の成分とも親和性が高いため、染み込みやすく、また一度染み込むと抜けにくい傾向があります。
分解方法の種類:
- 物理的な除去方法: 吸着、削り取り、蒸発促進など。それぞれの原理、メリット・デメリット、具体的な方法を解説。
- 化学的な分解方法: 洗浄剤、分解剤、バイオレメディエーションなど。それぞれの原理、メリット・デメリット、具体的な薬剤・方法を解説。特に、オゾン分解、光触媒分解など、専門性を訴求できる高度な技術も紹介する。
- 熱的な分解方法: 加熱処理、蒸気処理など。原理、メリット・デメリット、注意点を解説。
建材の種類別対策:
木材、コンクリート、金属など、建材の種類によって適切な方法が異なること理解し、それぞれの建材に最適な分解方法を構築する
分解方法の解説
物理的な除去方法
物理的な除去方法は、比較的簡便で、DIYでも取り組みやすい方法が多いですが、完全に灯油を除去することは難しい場合もあります。
(1) 吸着材による吸着
- 原理: 吸着材(活性炭、粘土鉱物、おがくず、市販の油吸着材など)を灯油が染み込んだ部分に接触させ、灯油を吸着させて除去します。
- メリット:
- 比較的安価で手軽に入手できる材料を使用できる。
- DIYで比較的簡単に作業できる。
- 広範囲の汚染にも対応しやすい。
- デメリット:
- 建材の奥深くまで染み込んだ灯油までは除去しきれない場合がある。
- 吸着材自体が二次的な廃棄物となる。
- 臭い成分までは吸着しきれない場合がある。
- 具体的な方法:
- 灯油が染み込んだ部分に、吸着材を厚めに敷き詰める。
- 吸着材をブラシやヘラなどで建材表面に擦り付けるようにして、灯油を吸着させる。
- 数時間~数日放置し、吸着材が灯油を吸い込んだら、吸着材を回収・廃棄する。
- 必要に応じて、上記作業を繰り返す。
建材の削り取り・切削
- 原理: 灯油が深く染み込んでしまった建材の表面部分を、物理的に削り取る、または切り取ることで、汚染部分を除去します。
- メリット:
- 物理的に汚染部分を直接除去するため、確実性が高い。
- 特に汚染が局所的な場合に有効。
- デメリット:
- 建材を傷つける、または建物の構造を損なう可能性がある。
- 広範囲の汚染には不向き。
- 削り取った建材の廃棄が必要となる。
- 専門的な工具や技術が必要となる場合がある。
- 具体的な方法:
- 汚染範囲を特定し、削り取る範囲をマーキングする。
- 電動サンダー、スクレーパー、ノミ、カッターなどを用いて、汚染された建材表面を削り取る。
- 深く染み込んでいる場合は、電動ドリルなどで穴を開け、内部まで削り取る。
- 削り取った建材片を適切に廃棄する。
- 必要に応じて、削り取った部分を補修する
化学的な分解方法
化学的な分解方法は、物理的な除去方法に比べて、より効果的に灯油を分解・除去できる可能性がありますが、専門知識や適切な薬剤の選定、安全な作業環境の確保などが重要になります。
(1) 洗浄剤・ 溶媒による洗浄
- 原理: 灯油を溶解する溶媒(中性洗剤、アルカリ性洗剤、有機溶剤 など)や、界面活性剤を含む洗浄剤を用いて、建材表面や内部に染み込んだ灯油を浮遊させ、洗い流す方法です。
- メリット:
- 比較的広範囲の汚染に対応可能。
- ある程度の深さまで染み込んだ灯油にも効果が期待できる。
- 市販の洗剤などを利用できるため、比較的入手しやすい場合がある。
- デメリット:
- 建材の種類によっては、変色、 ダメージ、変質 など、悪影響を与える可能性がある。
- 洗浄剤が建材内部に残留する可能性がある。
- 洗浄廃液の処理が必要となる場合がある。
- 臭い成分までは完全に除去しきれない場合がある。
- 具体的な方法:
- 使用する洗浄剤を、目立たない場所で試して、建材への影響を確認する。
- 洗浄剤を灯油が染み込んだ部分に塗布する、または噴霧 する。
- しばらく時間 を置く。(※ 洗浄剤の種類、製品の指示に従う。)
- ブラシ、スポンジ、布などで、建材表面をこすり洗いする。
- 水で十分に洗い流す。(※ 洗浄剤が残らないように、十分に洗い流す。)
- 換気を行い、完全に乾燥させる。
- 必要に応じて、上記作業を繰り返す。
加熱・蒸発促進
- 原理: 灯油は揮発性のある物質なので、加熱したり、換気を良くすることで、蒸発を促進させ、建材から灯油を除去する方法です。
- メリット:
- 比較的簡便な方法で、大掛かりな設備や特殊な薬剤を必要としない。
- DIYでも比較的容易に実施可能。
- デメリット:
- 建材の奥深くまで染み込んだ灯油までは、蒸発しにくい。
- 蒸発した灯油成分が、室内に拡散し、臭いが残る可能性がある。
- 可燃性の灯油を扱うため、火気厳禁、 換気 徹底など、安全対策が必要。
- 具体的な方法:
- 灯油が染み込んだ建材部分を、換気の良い場所に移すか、換気を行う。
- ドライヤー、ヒート ガンなどを用いて、建材表面を 加熱する。
分かりにくい!
自分で書いていても「たぶん伝わらないだろうな」と思いました(汗)
Beクリーンでは上に書いたような、様々な工法や洗浄理論、独自開発の薬剤などを使い施工を致します。
他にも分解剤の使用(独自開発の分解剤)で効果的に施工を行ったりします。
分解剤の原理としては
灯油の成分を化学的に分解する薬剤(酸化剤、分解触媒 など)を用いて、灯油を低分子化、または完全に分解する方法です。
より深部にまで浸透した灯油にも効果的で、灯油を化学分解する為臭いをほぼほぼ消すことが可能です。
比較的短時間で施工可能な点もメリットです。
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