新築住宅の床下コーティング作業

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北海道で開発された「基礎断熱工法」という構造の住宅があります。

国土交通省の統計では34%の住宅が採用(北海道で)、フラット35住宅仕様実態調査報告では48.5%、工務店や設計事務所、建築会社が独自に行ったアンケートでは68.8%の住宅で基礎断熱工法が取り入れられているとの事です。

基礎断熱工法で建てられる家は高気密高断熱住宅であることが多く、床下基礎部の空気が室内にも循環することが多いです。

夏涼しく冬暖かく、最近ではエアコン1台だけで住宅全ての冷暖房をまかなえる高性能な住宅も増えています。

いいことが多いんですが、新築から2~3年くらいは床下の粉塵が居住空間に飛散したり、カビが発生すると家中にカビ菌が飛散しやすいなどのデメリットもあります。

居住される方が喘息やアレルギーなどをお持ちの方ですと、基礎部の粉塵対策でコーティングを希望される方も少なくないです。

丁寧な建築屋さんだと引渡美装時に床下基礎部分の掃除機掛けも僕たち美装業者に発注するんですが、床下の掃除機掛けだけでは細かな粉塵は収まらないことも多いです。

床下の掃除機掛けもやらない建築屋さんも多いので、その辺は各企業の意識の違いだと思います。

まずは床下全てを掃除機でキレイに吸います。

Beクリーンの基準としては「黒い靴下で歩いても靴下が白くならないレベル」ってのを一つの目安にしています。

なかなか難しいんですけど、箒でゴミを集めるだけの会社も多いんですが、Beクリーンでは意地でも全面掃除機でしっかり吸い取る。というのを必須にしています。

フィルター性能の高い掃除機で除塵しますが、掃除機からの排気で粉塵は舞い上がります。これを落ち着かせるために除塵後数日から1週間放置します。

落ち着いたらコーティング塗布を行います。

これはただただ地道に塗装用のローラーで専用コーティング剤を基礎コンクリートに塗布していきます。塗布後はちょっとツヤが出る程度でそれほど風合いは変わりません。

住宅仕様によって変わりますが、床下が冷暖房のダクトが張り巡らされていてものすごく狭い住宅も多いです。それでも塗り落しがあると粉塵のもとなので全てにしっかり塗布していきます。

Beクリーンも40代が多くなりみんな身体はしんどいです(笑)僕は20代からこの仕事を始めているので20年近くかれこれ何棟の床下に潜っただろう?もう記憶にもないくらい床下に入りました。

噴霧器で噴霧する塗り方もあるんですが、これだと関係のない木部やダクトホース、給排水管などにもコーティング剤が付着し仕上がりがきれいに見えません。

「床下なんて誰も見ないだろう」と言われればそれまでですが、見えない部分の施工もしっかり処理するのがBeクリーンイズムとでもいいましょうか。

写真はブレブレです。なんせ床下は真っ暗です。最近は性能のいいヘッドライト(懐中電灯)が増えたのでヘッドライトだけで進めますが、昔はLED懐中電灯って少なかったので照明の為に電源コードを1本引っ張る。掃除機の為に1本引っ張ると、2本の電源コードを引っ張りながら狭い床下を這いずり回りました。

今はなんでもコードレスでだいぶ良くなりました。

お家を買うってものすごく高いお買い物です。せっかく買うなら納得がいく状態で引き渡してもらうのが良いと思います。

新築住宅の引渡美装ってとても大変な割に殆ど儲かりません(汗)なのでBeクリーンはBeクリーンの高価格でもOKって建築屋さんの仕事しかしていませんが、最後の仕上げ美装はしっかり清掃したい。というお客さんがいれば建築屋さんに「引渡美装はBeクリーンで」と言ってみてください。たぶん嫌な顔はされますがダメとは言われないと思います。

床下のカビ処理やコーティング、除塵などは別途料金ですがやる価値のある作業だと思います。

僕も家を建てたときは自分で防カビやコーティングは行いました。掃除屋さんも自分の家は自分で施工するくらい値のある施工。お勧めいたします。

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